以前から、気になっていた「ポリ袋調理」。
私の認識としては、電気、ガス、水道が使えない、災害時のための緊急用、というイメージでしたが、その一方で、
「時短調理」「洗い物を減らす」
という使い方もあるようで、ひき肉を手でこねる代わりに、とか、揚げ物の衣を均等にまぶす時に、ポリ袋を使うと便利なようです。
でも、今回はあくまでも、災害用として、炊飯器が使えない場合のポリ袋調理として、ご飯の炊き方を実践してみました。
いざという時のための予備訓練として、準備段階から炊き方、ご飯の炊き上がりの感じなどを、このあと順を追ってレポートして行きます。
私が試したレシピの紹介
いろいろなレシピがあると思いますが、どれも大体、少量で一人分のレシピが多かったです。
今回は、
- お米(無洗米) 100cc
- ペットボトルの水 120cc
- 食品用ポリ袋 2枚
この材料でご飯を炊いてみました。
ここで注意することは、「ビニール袋」ではなく「食品用ポリ袋」を使うことです。
理由は、
- 熱に耐えられるか?
- 衛生的か?
という事です。
鍋にお湯を沸騰させて使うので、熱に弱いと耐えられずに、溶けてしまう可能性があります。
そして、「食品用」とうたっているものは、半透明の「高密度ポリエチレン」で、食品を入れて、加熱したり冷凍したりするのを想定して作られているので、熱にも強く、安心して使えます。
我が家にあったポリ袋が、ちょうどこれに当てはまっていたので、使ってみました。
腐る物でもないので、買い置きをしておくのが良いかもしれません。
今回使ったのが、こちら。
食品用で、耐熱温度も125℃までOKです。
厚さも、0.015mm あって破れにくそう。
ポリ袋調理、ご飯をおいしく炊く方法
これから、実際にご飯を炊いて行きます。
お米を水にひたす
① ポリ袋にお米を入れて、分量の水を加える
ここで、30分以上つけておくとレシピにあったので、
長めに1時間、つけておきました。
この作業を「浸漬(しんせき)」と言って、米の中心部まで充分に水を浸透させ、ご飯をふっくらと炊き上げるのに欠かせない工程だそうです。
実際の災害時には、そんなことも言ってられない状況だとは思いますが、どうせ食べるなら、出来るだけおいしく食べたい。
という事で、出来るだけ長くつけておきます。
一般的には、
- 最低30分
- 冬は1時間
- 長く浸しすぎるとベタつく (2時間で飽和状態)
と言われていますが、今回は炊飯器を使わないので、もし芯が残っていると残念な結果になると思い、長めに1時間、浸しました。
浸している間に、鍋に水を入れて、火にかけておきます。
※この時に、鍋底に耐熱皿を敷いておくと、沸騰の勢いで袋が破れたり、底に接触して袋が溶けたりなどの事故を防げるようです。
直接、鍋底に触れなければ良いので、
私は、鍋底に敷く蒸し器を使いました。
1時間経ったら、
② 袋を二重にして、中の空気を抜き、口をしばる。
※空気が入ったままだと、ポリ袋がふくらんで、浮いてしまい、うまく炊けない可能性があります。
湯煎をする
③ 沸騰したお湯の中に入れて、15分間、湯煎する。
常に湯がボコボコと沸騰している状態にしました。最初は、ポリ袋が劣化して破れないか心配でしたが、さすが125℃までの耐熱性能。
念の為、ちょっと長めの20分くらい沸騰させましたが、全然、平気でした!
蒸らす
④ 20分湯煎したら、火を止め、フタをしてそのまま30分間置いておく。
レシピでは、15分蒸らす、とありましたが、そこは炊飯器ではないので、念の為、30分にしました。
高音のまま蒸らすことで、水蒸気となった水分が、お米の一粒一粒に均等に吸収され、もっちりふっくらとした美味しいご飯になるそうです。
蒸らし時間が短いと、冷めた時に芯が残りやすく、
蒸らし過ぎると、ベタついたご飯になるそう。
調節が難しそうですが、とりあえず、芯が残るのだけは避けたい!
その一心で、30分にしました。
炊き上がったご飯を食べてみた感想
完成しました!
取り出して触ってみましたが、とても硬くて、まるで濡れたタオルが丸まって入っているようでした。
失敗したかも?! と思い、こわごわ縛った口をほどいてみます。
蒸気がムワッと出てきて、アツアツです。
しゃもじを中に入れて、ほぐしてみました。
「あれ!」
結構、やわらかい?!
ちゃんと炊けてるんじゃない?
器にあけてみます。
しゃもじで装う感覚では、普通に炊けてる「ご飯」でした。
ご飯つぶも、しっかりしてます。
一口食べてみて咄嗟に思ったことは、
「ちゃんと食べられる!」でした。
芯も残ってないし、ちょうど良い噛みごたえで、硬くない。柔らかすぎない。
何回も噛んでいくうちに、
「思ってたより、美味しい。普通に食べられるし!」
と、嬉しくなってきました。
ただ、やっばり炊飯器ではないので、ふっくら感、というか、ご飯の甘み、というか、何かが足りない感が否めません。
でも。
この美味しさは、災害時で、心身ともにストレスにさらされている状況下では、きっと、ほっと出来る感覚を与えてくれるはずです。
乾パンより、アルファ米より、お茶碗一杯のあたたかいご飯。ですね。
このレシピの量で、ちょうどお茶碗一杯分のご飯が炊けたので、
卵かけご飯として、美味しくいただきました。
ポリ袋調理、ご飯の炊き方のまとめ
- お米100ccに水120ccを入れて1時間ひたす
- 耐熱皿を敷いて沸騰した鍋で20分湯煎
- 火をとめフタをして30分蒸らす
他にも、調味料を入れたり、野菜を入れたりして、バリエーションも増やせるそうなので、試してみるのも良いかもしれません。